2023-06-27
少子高齢化や核家族化によって、日本では空き家の数が増加傾向にあります。
親が亡くなったあと、空き家になった実家を相続する方もいらっしゃるでしょう。
人が住んでおらず活用していない空き家であっても、相続したら相続税の課税対象になるのでしょうか。
この記事では、空き家と相続税の関係、税金の計算方法や税金対策のコツなどを解説します。
名古屋市の南区・港区・天白区・緑区・瑞穂区を中心に名古屋市全体で空き家を相続するご予定の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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はじめに、空き家と相続税の関係について、相続税の基礎知識も交えて解説します。
相続税がどのような税金なのか、具体的には知らないという方も多いのではないでしょうか。
相続税とは、被相続人(亡くなった方)の財産を相続したときに、相続人に対してかかる税金です。
相続税には基礎控除額が設けられており、財産の総額が基礎控除額以下であれば、相続税はかかりません。
相続税の計算方法については、後ほど解説します。
たとえ空き家であっても、相続した場合には相続税の課税対象となります。
人が住んでおらず活用されていなくても、不動産という財産であることに変わりはないためです。
そのため、空き家を含む財産の総額が基礎控除額を超えた場合は、通常どおり相続税が発生します。
不動産は価値が高いことから相続税も高額になりやすいため、相続が発生する前に対策しておくことが大切です。
空き家の相続では「小規模宅地等の特例」が利用できないため、相続税が高くなる傾向にあります。
小規模宅地等の特例とは、自宅が建つ土地のうち330㎡までの部分の相続税評価額を80%減額するという制度です。
被相続人が生前住んでいた自宅を相続する場合は、この特例を利用できるため、相続税を大幅に節約できます。
しかし、相続したのが以下のような空き家の場合は、特例の適用対象外となり、相続税評価額を減額することはできません。
小規模宅地等の特例には複数の種類がありますが、いずれにせよ、相続開始直前で空き家になっている家屋は適用対象外です。
ただし、被相続人が老人ホームに入居したために空き家となっていた場合は、例外として特例を利用できる可能性があります。
詳細は国税庁のホームページに記載されているため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
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相続後に空き家状態にするデメリットとは?解決策について解説
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空き家も相続税の課税対象とわかったところで、気になるのは納税額ではないでしょうか。
ここからは、空き家にかかる相続税の計算方法を解説します。
先述したように、相続税には基礎控除額が設けられています。
基礎控除額は相続人の数によって異なり、以下の計算式で求められます。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×相続人の数)
ここでは、相続財産は自宅の敷地のみ(評価額7,000万円)とし、相続人は子ども1人として計算します。
相続人が1人のみの場合、基礎控除額は「3,000万円+(600万円×1人)=3,600万円」です。
基礎控除額がわかったら、続いて課税遺産総額を計算します。
課税遺産総額は、財産の総額から基礎控除額を差し引けば求められます。
先ほどのケースで考えると、課税遺産総額を求める計算式は以下のとおりです。
7,000万円(財産の総額)ー3,600万円(基礎控除額)=3,400万円
小規模宅地等の特例を適用しない場合、3,400万円が相続税の課税対象額となります。
課税遺産総額を求めたら、相続税の速算表から税率や控除額を適用させましょう。
相続税の速算表は、国税庁のホームページで確認できます。
ここでは、法定相続分に応ずる取得金額が3,000万円以下から2億円以下までの税率と控除額を記載します。
今回のケースでは「5,000万円以下」に該当するため、課税対象額に税率20%と控除額200万円を適用させます。
すると、相続税額は「3,400万円×20%-200万円=480万円」となり、相続人が1人の場合は計算もここで終了です。
もし相続人が複数いる場合は、財産の取得割合に応じて按分する必要があります。
上記の計算では減額要素がないため、相続税は480万円という結果になりました。
もし小規模宅地等の特例を利用できるとしたら、相続税はいくらになるのでしょうか。
土地のすべてに特例を適用した場合、自宅敷地の評価額は以下のとおりです。
7,000万円×(1-0.8)=1,400万円
小規模宅地等の特例を適用すると、評価額は1,400万円となり、基礎控除額以下となるため相続税はかかりません。
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相続後に空き家状態にするデメリットとは?解決策について解説
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税金対策は被相続人が元気なうちにをおこなうのが理想ですが、対策する前に相続が発生してしまうこともあるでしょう。
ここからは、相続発生前と相続発生後にできる税金対策について解説します。
所有者の死後、空き家になる予定の家を相続が発生する前に売却すれば、特例を利用して売却益に対する所得税を節税することができます。
これを「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といい、売却益から3,000万円まで控除することが可能です。
特例を利用するにはいくつかの条件を満たす必要があるため、被相続人と一緒に確認しておくと良いでしょう。
この特例は、売却時にすでに空き家になっている家にも適用することができます。
その場合は、誰も住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却する必要があるため、売り出す時期にご注意ください。
相続税対策として、空き家を賃貸に出すという方法もあります。
賃貸中の家屋にも小規模宅地等の特例は適用でき、土地面積の200㎡までは評価額を5割引にできます。
特例を利用するには条件があり、相続発生前3年以内に始めた賃貸事業は特例の対象外となる点に注意が必要です。
ただし3年以内であっても、5棟以上の貸家など事業的な規模であれば、特例を使える可能性があります。
相続発生後の税金対策には、空き家を売って所得控除の特例を使う方法があります。
相続した空き家を売却する際に、要件を満たせば「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」を利用できます。
この特例は平成28年度税制改正により創設されたもので、空き家の売却益から3,000万円まで控除できるという内容です。
控除額が大きいためぜひ利用したい制度ですが、適用するには多くの条件を満たさなければなりません。
たとえば、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、家屋と土地の両方を相続していることなどです。
また、相続発生から売却するまで居住や貸付、事業用に利用していた場合は適用対象外となります。
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相続後に空き家状態にするデメリットとは?解決策について解説
人が住んでいない空き家も、相続税の課税対象となります。
空き家を含む財産の総額が基礎控除額を超えた場合は、相続税を支払わなければなりません。
相続が発生してから相続税を節税するのは困難なため、被相続人が元気なうちに対策を練っておきましょう。
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